海外引越しの準備 | 引越し準備のお役立ち情報

海外引越しの準備

海外引越しでは、準備に不備があると引越し自体ができなくなる危険性があります。また、国内引越しよりも必要になる書類や手続き、荷物の仕分けに手間がかかるなど、時間を要する多くの準備があります。そのため、不備なく確実に準備を終わらせられるよう、しっかりと計画を立ててから準備を始めることが大切です。

海外引越に必要なパスポート

では、具体的に、何をどのような順番で準備すればよいのでしょうか。そんな疑問を解消するため、このページでは、海外引越しではどんな準備が必要になるか、その準備はどのように進めればよいかをまとめています。引越し準備の段取りを立てる際などにお役立てください。

海外引越しの準備をする上で覚えておきたい5つの注意点

1.荷物を送る方法には船便と航空便があり、使い分けが大事

海外には、船便や航空便を使って荷物を送ります。引越し環境や送る荷物の種類によって上手く使い分ける必要があるので、それぞれの特徴を覚えておきましょう。

荷物を船便で送る

船便は、大きくて重たい荷物を送るのが一般的です。航空便と比べて料金が安く、一度にたくさんの荷物を運ぶことができます。ただし、現地に届くまでにはある程度の日数がかかり、アジアでも到着までに1ヶ月程度みる必要があります。また、荷物の紛失や破損のリスクが少々高いのもデメリットです。

荷物を航空便で送る

一方、航空便は船便より早く荷物が届くので、新居ですぐ使う荷物を送るのに適しています。たとえば、アジアなら、1週間程度で送ることが可能です。また、荷物を丁寧に輸送してもらえるため、破損などのトラブルが少ないのもメリットです。ただ、早く丁寧に運んでもらえる分、料金は高めです。船便と比較するとおおよそ2倍の費用がかかります。料金は重量によって決められるので、費用を少しでも抑えるためには、日用品や衣類など、比較的軽いものを選んで輸送する必要があります。

2.海外引越しでは税関の手続きが必要

日本から海外に荷物を送るときには、必ず税関を通さなければなりません。これは、引越しのときも同じです。

関税については、「引越しを理由に家財を送る」ことであれば、基本的に無税です。
ただし、引越し先の国によって、多少ルールが異なります。たとえば、中国へ家具や家電を送る場合、使用中のものであっても10%~30%の関税がかかります。税関の手続きは他国とのやり取りになるので、「知らなかった」では済まされません。依頼する引越し業者に詳しく説明してもらい、しっかり確認しておいてください。

また、引越し荷物は、あくまで「本人が受け取る」ことが前提です。たとえば、現地で代理人が受けとった場合、「一般貨物」と同じ扱いになるので、当然関税がかかります。つまり、同じ荷物を送っても、受取人が違うだけで関税が発生してしまうということです。この例の場合、代理人が高額な関税を支払わなければならないケースもあるので、引越し荷物は必ず自分で受け取れるよう準備してください。

3.海外には持っていけないものがある

法律や条例などで、海外への持ち出しを厳しく規制しているものが存在します。また、引越し先の国によって、日本から持ち込めないものに違いがあるので、相手国の輸入条件は必ず確認しなければなりません。

<海外に送ってはいけないもの>

  • ポルノ雑誌や政治的煽動を意図する文章
  • 花火、ライター、カスボンベなどの危険物
  • 肉、野菜、乳製品などの食料品
  • 毒物などの薬品
  • ワシントン条約で取引が禁止されているペットや植物

これは問題ないだろう…日本の常識で考えるのは危険

まさか、こんなものが。というようなもので、通関に時間がかかったり、没収されたりすることがあります。海外引越しでは、想定外のことがおこるとも限らない、という心構えも必要です。たとえば、子供のおもちゃが武器と間違われ、検査時間と費用がかかった、なんてことも珍しくはありません。

4.国内引越しより、荷物の破損のリスクが高い

海外へ送る引越し荷物は、依頼した引越し業者の他に、別の運送業社の手をいくつか経て現地に送られることになります。引越し業者のスタッフは、当然大切に荷物を扱ってくれますが、間に入る運送会社のスタッフにとっては、どの荷物も同じ。少々扱いが雑になるのもよくあることで、破損などのリスクは高めです。

特に、船便で送る荷物は、破損などのトラブルが起こりやすいと言われています。そのため、引越し業者では、輸出用の外装梱包を施すなど、厳重な梱包をすることで対応しています。自分で梱包する荷物は、できる限り少なくした方が安全です。ただし、しっかり梱包しても、100%事故を防ぐことはできませんので、多少の事故は致し方ないことと認識しておきましょう。

※たいていの引越し業者では、保険が用意されています。

5.送る荷物は極力少なくし、現地で手に入るものは現地調達するのが合理的

国内引越しでは、不用品以外はすべて新居へ運びます。しかし、海外引越しでは、「日本でしか手に入らないもの」、「どうしても必要なもの」以外は持っていかないのが基本です。

特に、家電は現地で調達した方が便利で、コスト面でもお得になるケースが多々あります。現地調達のメリットは、変圧器を用意したり、現地で使えるか否かを調べたりする必要がないこと。そして、故障時には、現地の家電の方が修理しやすいことです。せっかく持っていった家電が使えず、結局購入しなければならなくなるということもありません。また、海外の賃貸では、家具が一通り備え付けられている物件が多く、わざわざ日本から持っていく必要がないことがあります。無駄な出費を省くためにも、なるべく身軽な状態で引越しができるよう意識して準備しましょう。

ただし、海外では入手しにくいものは、忘れずに持っていくよう心がけてください。薬も、日本のものが安心です。ただし、輸出入が禁止されているものには注意しましょう。

海外に持っていった方がいいものの一例

  • 下着類や靴
    日本人のサイズに合ったものが売っていない可能性がある。たとえば、22センチの靴はまず手に入らない
  • 箸や和食器
    和食は比較的手に入りやすくなったものの、箸や食器は手に入りにくい。
  • 子供の学用品やおもちゃ
    慣れ親しんだ道具は、子供のストレス緩和に効果的。

海外引越しのおおまかな流れ

飛行機

海外引越しの場合、準備期間は3ヶ月程度みるのが一般的です。その3ヶ月の間に、何をすべきか、どう準備を進めていけばよいかを、以下の表にまとめました。それぞれの作業をどのタイミングで始めればいいかを意識しながら、海外引越しの流れを把握しておきましょう。

3ヶ月前~ 1.ビザ、パスポートの手続き*1
2.「持っていくもの」「持っていかないもの」の選別
3.引越し業者選び
2ヶ月前~ 4.荷物の仕分け(船便、航空便、倉庫、不用品など)*2
5.船便で送る荷物の荷造り
6.税関手続きに必要な書類の用意
1ヶ月前~ 7.船便で送る荷物の発送
8.各種引越し手続き(ライフライン、健康保険など)
9.航空便で送る荷物の荷造り
2週間前~出発 10.航空便で送る荷物の発送
11.手荷物の荷造り
12.最後に残ったものの処理(倉庫に送る、処分するなど)*3
到着後 13.荷物の受け取り

*1 パスポート(コピー)は、荷物を輸送する際にも必要です。また、ビザが取得できるまで荷物を輸送できない国もあります。パスポートは比較的すぐに取得できますが、ビザの取得には時間がかかるので、海外引越しが決まったらすぐに申請しましょう。

*2 不用品は、出発直前まで使う必要があるもの以外、早めに処分してください。粗大ゴミや一部家電製品など、捨てるのに時間がかかるものがあります。

*3 最後まで残すもの(引越し業者に預けない荷物)については、そのままにするか、処分するか、実家に送るか、倉庫などに預けるかのいずれかになります。賃貸からの引越しなどで、荷物をそのままにできない場合は、出発直前に処理できるようあらかじめ手配しておきましょう。

海外引越し業者の選定基準

海外引越しは特殊作業が多く、通常は専門業者を使って引越しをします。引越しを成功させるには、業者の選び方も大切です。トラブルなく引越しができるよう、以下に挙げる3つのポイントに注目し、業者を選んでください。

1.外航運送の免許を持っているか

依頼先を決める上での第一条件は、国土交通省からの認可を得ている業者であることです。正確には「外航運送に係る第二種貨物利用運送事業」という許認可になります。その業者の信頼性をはかる一つの基準になるので、必ずチェックしましょう。

2.引越し先が、その業者の得意な地域であるか

海外引越しを請け負う業者は、アジアの引越しに強い、アメリカの引越しの実績が多いなど、業者によって得意分野が違うことが多々あります。業者選びの際は、その業者が引越し先の国の情報をたくさん持っているか、その国への引越し実績が豊富かを、しっかり確認するようにしましょう。引越し業者の強みが、自分の引越しにマッチしているということも、重要な選定基準となります。

3.現地法人があるか

現地法人がある引越し業者では、現地でのサポートが充実しているケースが多く、現地法人の有無もかなり重要な選定基準となります。たとえば、素早く引越し作業を済ませてくれる、日本人スタッフが対応してくれる、普段の生活もサポートしてくれるなど、メリットはさまざまです。ただし、業者によって、サービスの内容は異なります。どんなサービスが受けられるかも含めて確認しましょう。

海外引越しの荷物の梱包方法

海外へ送る荷物の梱包

海外引越しの場合、荷物の梱包はできる限り業者に任せた方が安全です。特に大型の荷物は、業者スタッフの手で梱包するのが一般的なので、極力手を出さないようにしてください。ただ、業者やプランによっては、小物類の梱包を自分で行うケースがあります。海外へ送る荷物を梱包する際は、次の手順で行ってください。

step1 荷物を仕分けする

step2 ダンボールに、番号、名前、目的地を書く

step3 ダンボールに荷物を詰める

step4 梱包明細書を作成する

海外引越しでは、国内引越しより丁寧な梱包が要求され、梱包と同時に書類作成をしなければなりません。また、引越しでは欠かせない荷物の仕分け作業も、国内引越しよりも細かく、的確に仕分けする必要があります。

海外引越しの荷物の梱包で、重要な3つのポイント

荷物の仕分け

引越しの荷造りでは、梱包の作業に入る前の荷物の仕分けはとても重要です。仕分けの良し悪しは、梱包に限らず、引越し準備全体の作業に大きく影響します。荷物の仕分けにはある程度の時間を要するので、手際良く作業ができるよう、仕分け方の基本を覚えておきましょう。

<海外引越しの荷物の仕分け方>

海外引越しでは、荷物を「船便で送るもの」「航空便で送るもの」「自分で運ぶもの」「日本で保管するもの」「処分するもの」に仕分けます。たとえば、以下のような分け方になります。

船便で送るもの 必要だけど、当分使えなくても大丈夫なもの
航空便で送るもの 現地に着いたらなるべく早く使いたいもの
自分で運ぶもの すぐに使う必要があるものや貴重品
日本で保管するもの 持っていけないけど帰国後に使いたいもの
処分するもの まったく使っていないもの

仕分けがしっかりできていると、梱包をする荷物の順番が明確になり、スムーズに準備を進めることができます。持っていく荷物と持っていかない荷物の区別は、特にはっきりしておきましょう。また、不用品は、他の荷物と混ざらないよう早めに処分してください。

梱包時の保護

国内引越しではほぼありませんが、海外引越しでは、運搬中の荷物(ダンボール)が横向きに積まれることが多々あります。海外へ送る荷物を梱包する際には、ダンボールの向きが変わっても中身が動かないよう、緩衝材をたっぷり使ってしっかり保護してください。

また、海外引越し用の梱包には、湿気対策も欠かせません。運搬中、ダンボールの中に湿気がたまり、カビを発生させることがあるからです。特に、布製品や革製品はカビに注意が必要なので、衣類などを梱包するときには、乾燥剤を忘れずに入れるようにしてください。ビニール袋に入れたり覆ったりすることも、カビの原因になるのでやらないようにしましょう。

通関に必要な梱包明細書は正確に記入する

梱包明細書とは、ダンボールの中に何が入っているかを記した書類のことです。パッキングリストとも呼ばれます。税関を通過するために必要な書類で、基本的には自分で作成することになります。梱包明細書は、具体的に、正確に書かなければなりません。誤りや記入漏れがないよう、慎重に記入してください。

梱包明細書には、ダンボールにつけた通し番号、中身の内容と数量のほか、発送方法(船便、航空便)、保険金額などを記入します。保険金額とは、一梱包の荷物のおおまかな価値のことです。たとえば、10万円のコートが3枚入っているダンボールであれば、その箱の保険金額は30万円となります。

暮らしに関する海外引越し手続き

行政サービスやライフラインなど、海外引越しに伴い必要となる手続きはたくさんあります。国内の引越しでも必要な手続きがほとんどですが、手続きの内容が若干異なるので注意してください。手続きの種類と内容は、以下の通りです。

住民票 海外に1年以上滞在する場合には、海外転出届が必要。
※滞在期間が1年未満であれば、住民票はそのままでもOK
国民健康保険 原則、手続きは不要
海外転出届を出すと、自動的に脱退。
国民年金 海外転出届を提出すると、自動的に支払い請求が停止になる。海外に住んでいる期間も年金を支払いたい場合には「任意加入」の手続きが必要。
公共料金 電気、ガス、水道は解約手続きをする
携帯電話・スマホ 国際ローミングサービスに申し込んで海外でも使えるようにする、日本で使用している携帯・スマホは解約し現地で新たに契約する、といった方法が一般的。※キャリアによるが、電話番号やメールアドレスを一定期間保持することも可能。(別途手続きが必要)
インターネット 引越し先でも利用可能かプロバイダに確認。使えるのであれば、プロバイダは変えない方が便利。ただし、手続きや設定、料金に注意。プロバイダを継続して利用できない場合は、解約するしかない。
保険会社 加入中の生命保険や医療保険は、原則海外に転居しても継続することが可能。手続きには、日本の連絡先(書類の送付先)の登録や書類提出が必要。契約が継続できない保険もあるので要確認。
銀行・カード 銀行口座、クレジットカードは、住所変更の手続きをする。国内住居限定の口座など、継続ができない契約は解除手続きをする。
転校手続き 在学校に退学届を提出し、在学証明書を発行してもらう。ただし、在学校での手続き、転校先の手続きや必要書類などは、学校(または国)によって異なるためそれぞれ確認が必要。
運転免許証 海外で車を運転する場合には、国際運転免許証を取得する手続きを行う。ただし、国によっては、現地での手続きが必要になる。

国民健康保険の手続きは、国内で住民票の移動があった場合を除き、不要です。海外転出届を出すと、自動的に脱退となります。海外転出届が受理されると、住民票がなくなるので、国民健康保険の加入対象外になる(加入できなくなる)からです。国民年金の場合も、海外に滞在している間は、支払いの請求がありません。ちなみに、その期間の住民税も支払う必要はありません。

ただし、海外転出届を出していない場合は、どこに住んでいようと、健康保険、年金、住民税の支払い義務が発生します。

海外で車を運転するための準備

海外で車を運転する

出国前に国際運転免許証を取得しよう

日本の運転免許証では、海外で車を運転することができません。海外で車を運転する予定がある人は、日本で国際運転免許証を取得しておきましょう。手続きは、運転免許試験場や一部警察署などで簡単に行えます。出国前に取得しておけば、現地ですぐに運転できるので、忘れずに手続きを済ませておいてください。

国際運転免許証に関する注意点

  • 1年以上の滞在の場合、有効期限が1年未満の免許では、国際運転免許証を取得できない。
  • 中国やベトナムなどのジュネーブ条約締約国では、国際運転免許証が使えない。現地の免許に切り替える手続きをとるか、現地で改めて免許を取得するかになる。
  • 国際運転免許証の有無に関係なく、日本の運転免許証を忘れずに持っていく。必要になる可能性が高い。

愛車は持っていく?それとも現地で調達する?

海外引越しの場合、愛車は日本においていくか、売却するなどして処分するのが無難です。

車を海外に輸送する場合、日本では廃車手続きをして、現地の税関では検査をパスしなければなりません。現地の検査に合格するには、改造が必要になることがある上、合格できなければ車が強制送還されるというリスクもあります。また、費用面でも、手間暇かけて日本から持ち込むより、現地で調達した方が安く上がるというケースがあります。そのため、「現地の車が高すぎる」「乗りなれた車でないと運転が不安」など、明確な理由がない限りは、日本で保管あるいは処分することを前提に準備を進めましょう。

まとめ

海外引越しで大切なことは、相手国のことを正確に把握し、ルールを守ること。そして、しっかり計画を立ててから準備を始めることです。海外への引越しが決まったら、まずは一般的な海外引越しの特徴やおおまかな流れを把握し、できる限り相手国の情報を集めてください。上手に段取りを組み、何事もなく海外引越しを終えるためには、欠かせない作業です。

また、引越し業者との打ち合わせや相談もこまめに行っておきましょう。業者とのトラブルを回避するという意味もありますが、相手国の情報をはじめ、海外引越しに関するノウハウを教えてもらうためです。海外引越しの正しい知識と情報を手に入れて、スムーズな海外引越しを実現させましょう。