バリアフリーのノウハウ

成功するバリアフリーリフォームの7つのノウハウ

笑顔の家族

バリアフリーリフォームを成功させるために最も大事なのは、計画性です。
無計画のまま行ってしまうと、リフォームの失敗のもとになるからです。たとえば、やみくもに手すりやスロープを設置しても、いざその時になると、不必要な場所に設置してあるため、使わなかったなんてこともあります。

では、なぜ計画性が大事なのか、具体的には以下のことが考えられます。

  • 高齢者や介護者だけでなく、家族も快適な暮らしを送るため
  • 将来、実際には使わない、邪魔になることを防ぐため
  • 無駄な工事や費用がかかるのを防ぐため
  • いざと言う時に備えるため
  • 介護保険などを上手く活用してお得にリフォームするため

これらの計画性の他にも、介護や福祉のプロへの相談や依頼する業者選びも、成功させるためには大事な要素です。

1、一緒に住む家族も住みやすいバリアフリーを考える

話し合いをする家族

バリアフリーリフォームは、高齢者や体が不自由な人が暮らしやすいために行うのはもちろんですが、一緒に住む家族、介護をする家族にとっても住みやすいリフォームをすることが大切です。

バリアフリーリフォームは、リフォームをしたことによって、一緒に住む家族の日常の動作が変わってしまう場合があります。たとえば、手すりを取り付けたが、そこに子供がよく頭をぶつけるようになった、ドアが開きにくくなったなど、リフォーム後に不便だと感じてしまったら、家族全員が快適な生活を送れているとは言えません。

そのため計画の段階で、リフォームをしてみんなの生活が不便にならないか、子供や妊婦さんなども安全に暮らせる住まいになるにはどうしたらいいのか、家族で充分に話し合うことが重要です。

起こりがちな失敗例

2階への昇り降りが楽になる階段昇降機を設置したが、その分、階段幅が狭くなってしまい、よく使う家族が不便になってしまった。

2、将来を見据えたバリアフリーを考える

手すりにつかまるお年寄り

バリアフリーリフォームは、今必要な工事だけをするという方もいますが、将来を見据えて計画することも大事です。

しかし、将来を見据えていっぺんに完璧な工事にしようとすることは好ましくありません。なぜなら実際には、手すりを掴む太さが太い、高さがもう少し低いほうがよかった、むしろ邪魔になったなんてことにもなるからです。

これらを防ぐため、将来のことを考えてバリアフリーリフォームを計画する時に大事になってくるのが、“下準備”です。壁や床の下地補強や、段差を解消しておくなど、個々のさまざまな状況に対応できるように準備しておきましょう。そうすることで、将来、必要になった時に慌てずにバリアフリーにすることができます。

起こりがちな失敗例

将来を見据えて、階段や廊下に手すりを設置した。元気なときは右利きだったので全て右側に設置し、高さも今よりも少し低めにした。しかし、右側の握力がなくなり、手すりが必要になった時は、左手で全て行うようになり、右側に付けた手すりは結局使わなくなってしまった。

3、工事や費用が無駄にならないバリアフリーを考える

手すりをすすめる女性

バリアフリーリフォームに計画性が大事な理由のひとつに、工事や費用が無駄になるのを防ぐことが挙げられます。

バリアフリーリフォームといっても、個々の状態や家庭の状況によって工事内容とそれに伴う費用が異なります。例えば、手すりの設置や段差の解消、ドアの交換などは比較的小さな工事となりますが、水廻りの移動や階段昇降機、ホームエレベーターの設置などは大きな規模の工事です。当然ですが工事が大きくなるとその分、費用も高くなります。この費用の単位は、数万円から1,000万円単位のものがあります。

計画をせずにリフォームを行ってしまい、後から必要では無くなったのでは、工事も費用も無駄になってしまいます。それを防ぐために、予算や今の状況をしっかり把握した上で計画を立てることが大事です。

起こりがちな失敗例

両親のために、自宅に300万円近くかけてホームエレベーターを設置した。しかし、足腰は弱いものの運動になるからと階段を使う両親。だんだんと使用しなくなった。使用しないにも関わらず、メンテナンス費用として年間5万~10万ほどかかり、結局、お金も工事も無駄になってしまった。

4、いざという時に備えたバリアフリーを考える

バリアフリー対応のドア

バリアフリーリフォームは、将来を見据えて行うものですが、現状は必要になってから行う人が多いと言います。 しかし、急に倒れて寝たきりになった、事故で立ち上がるのも精一杯になってしまったなどの場合、リフォームどころではなくなります。

そうならないようバリアフリーは、体が元気なうち、動けるうちに、いざという時のために備えたリフォームをすることが大事です。今は不便や不満を感じていなくても、高齢になった時のリフォームは経済面や精神面でも大変です。

できるだけ段差を解消しておく、手すりの下地補強をしておくことでも、設置工事の時間短縮にも繋がり、また、バリアフリー化にすることで、家庭内の事故も未然に防ぐことができます。

起こりがちな失敗例

バリアフリーリフォームをしようと思っていたが、必要になってからと後回しにしてきた。しかし、急に脳梗塞で倒れてしまい、右半身が麻痺してしまった。話すのも歩くのもままならず、リフォームをするまでにもいかない状況に。手すりも必要な場所に設置してなく、誰かの助けがないとトイレにも行けない状態になってしまった。

5、補助金や助成金を活用するバリアフリーを考える

介護保険の手引きと保険証

バリアフリーリフォームをする場合、国からの補助金や減税を受けられる制度があります。住んでいる市区町村の自治体などによって条件や助成金など異なりますが、申請し対象となれば補助金が支給され、お得にバリアフリーリフォームをすることが可能です。バリアフリーリフォームをする前には必ず、自治体などに確認しておくことを忘れないようにしましょう。

介護保険制度

介護保険制度とは、要介護(1~5)や要支援状態などの認定を受け、在宅で改修が必要とされる場合に適用される保険です。適用された場合、一生のうち20万円までを限度額とし、1割又は2割の自己負担で住宅改修ができます。つまり、1万円の住宅改修工事であった場合、自己負担は千円から二千円ということです。また、一度に使いきらない場合でも、限度額内であれば数回に分けて工事を行えます。

ただし、介護保険が適用される改修工事にも、手すりの取り付けや床段差の解消、引き戸への交換など一定の条件があります。申請は、本人でなくても同居している家族や*ケアマネージャーが行うことが可能です。

*ケアマネージャーとは
介護支援専門員ともいい、ケアが必要な人に対して相談や自立した生活を送れるようにサポートする人のことです。介護や福祉、医療などで実務経験がある人が試験や研修を受けて取得できる資格です。

減税制度

減税制度には大きくわけて「所得税」と「固定資産税」があります。
所得税の中にはさらに3つに分かれ、投資型、ローン型、住宅ローンがあります。いずれもさまざまな要件があり、満たしている場合は減税の優遇を受けることができます。受けられるかどうかはお住まいの市区町村に確認が必要です。

起こりがちな失敗例

要介護認定2を受けた家族が在宅で過ごすことになり、急いで自宅をバリアフリーにリフォームした。しかし、工事後に介護保険のことを知った。調べてみると自治体が出している要件にピッタリと当てはまり、知っていれば介護保険が適用になり補助金を受けられた。十数万円が浮き、他の場所に使えたはずだった。もっと事前に調べておけばよかったと後悔。

6、介護や福祉の専門である医師やケアマネージャーなどに相談する

バリアフリーリフォームを成功させるためには、介護や福祉などの専門家に相談することが欠かせません。自分の体をわかってくれている人や、介護について詳しい人に聞いてから行うことが大切です。

まずは、かかりつけ医またはケアマネージャーを要請して、どのように自宅を改修するべきなのかなどを相談しましょう。ケアマネージャーは、要介護認定を受けた人が利用できる介護保険に関する手続きや、利用者の希望や状況を把握して計画書の作成などを行い、利用者が適切なサービスを受けられるようにしてくれます。

7、「工事実績」「信頼できる団体への登録」「有資格者の有無」がある業者を選ぶ

住宅の相談をしている夫婦

バリアフリーはここ近年で注目されるようになったことから、業者側でもバリアフリーへの知識がまだまだ乏しいのが現状です。そのため、知識や実績が乏しい業者を選んでしまうと、利用者にとって本当に必要で使いやすい住宅にはならず、反対に失敗やトラブルの元になってしまいます。 そうならないよう、利用者のことを考えた“良質な業者“を選ぶことが重要です。

その判断材料は、3つ。「工事実績」「信頼できる団体への登録」「有資格者の有無」です。 工事実績は、会社のHPなどで確認しますが写真ではわかりにくい場合もあるため、実際に工事されたお宅を見せてもうことができれば、なお安心です。また、信頼できる団体への登録は、自治体などで閲覧できる改修業者リストや民間業者団体などで確認しましょう。有資格者の有無は、福祉住環境コーディネーターなどの福祉や介護に関する有資格者が在籍しているかどうかで判断できます。

もちろん、これら全てが揃っていなくてもバリアフリーに優れた業者は多く存在しています。ですが、まずはこの3つを判断材料にして、実際に会って話してみて対応や説明がわかりやすいかなどを自分で確かめる事が大切です。

*福祉住環境コーディネーターとは
高齢者や障害者などに対して、自立した生活ができる住環境を提案するプロです。介護や建築などの幅広い知識をもち、利用者にとって適した住宅改修などのプランを提案します。

まとめ

バリアフリーリフォームは、手すりを取り付ける、部屋と部屋の段差を解消する、扉を引き戸にする、照明を変えるなどさまざまな工事内容があり、リフォームをすることによって家庭内の事故のリスクを軽減でき、介護者の負担を減らすなどの多くのメリットがあります。

しかし、バリアフリーリフォームはただ手すりを付ければいい、段差をなくせばいいというわけではなく、使う人やそこに一緒に住む家族が安心して暮らせるようにすることが大切です。

そんなバリアフリーリフォームを成功させるためには、家族や将来のことを考えた計画性や専門家への相談、信頼できる業者を選ぶことが重要です。住み慣れた家で快適に過ごすためには、これらノウハウや正しい知識を知っておきましょう。